男性性とは「男らしさ」のこと。
女性性とは「女性らしさ」のこと。
男性性と女性性を統合するとは、自分にとってちょうど良いバランスで「男らしさ」と「女らしさ」を体現できるようになることを意味します。
最終的には自分の「〇〇したい」に従って行動し、望む人生を具現化できるようになること。
宇宙には、心(女性性)が望むものを満たすように思考・頭(男性性)を働かせることで、物事がスムースに成就していく摂理があります。
肉体の性が男でも女でも、誰しも少しずつ「女らしさ」と「男らしさ」を両方兼ねそろえています。
そのバランスは人によって違う。
この記事では、男性性と女性性の各特徴と、二つの異なるエネルギーの統合について書いていきます。
目次
男性性とは
「行動」(Do)に根差した力。
3次元世界を安全に着実に生きていけるために必要な力です。
健全な男性性
- 目標・ビジョン・ゴールを持つ力
- 取捨選択力や決断力
- リーダーシップ
- 博愛と平等精神
- 逞しさや肉体的な力
- 弱い者を守る力
- 克己心
- 父性
- 愛したい欲求
- 外側に向かう欲求
健全な男性性は弱いものを守り助け、決断力や推進力を発揮して人生を切り開いていく力を持ちます。
本当の意味で男らしい人は、甘えを容認しません。
人生とは、喩えていうのであれば、山道のようなもの。
男性と女性が連れ立って山道を歩くとしたら。
男性は女性の様子を見ながらペース配分をし、適度に休憩を挟み、歩幅を女性に合わせつつも、半歩・一歩先を歩いてリードします。
- 行先を決める力
- 先を見通す力
- 進路を決める力
- ペース配分したり、計画を立てたりする力
すべて男性性の役割。
あるとき女性が、躓(つまづ)いて転んでしまいました。
「もう嫌、疲れた、こんな重い荷物背負って、これ以上歩けない!」
その場にへたりこんだまま動こうしない女性。
そこで男性は言います。
「僕は君が好きだから、これから先も一緒に歩きたいと思う。君はどう?これからも、僕と一緒に来る気、ある?」
女性は困惑しつつも答えます。
「もちろんよ」
すると男性は、女性に手を差し伸べて一言。
「なら、立ちなさい」
そう言われてしぶしぶ立ち上がる女性。
「僕は男だけど、君と君の荷物を背負って山道を行くほどの力はない。君が歩こうとしないなら、置いていくしかない」
そこで女性はハッとします。
男性は女性の荷物を拾うと、女性の背中に背負わせてあげる。
「歩けるね?」
こうして2人はまた、山道を登り始めました。
これが本当の意味での男らしさ(男性性)。
男と女は、常に共に成長を支え合うためのパートナーです。
2人の関係が依存や甘えに繋がっているのであれば、それは不毛なもの。
解消へ向かうか、さもなければ停滞があるだけです。
負の男性性
一方、男性性にはマイナスに発露すると、自分や他者にとって害となり得ます。
- 暴力
- 支配・コントロール
- 横暴やわがまま
- 命令や独裁
- ナルシシズムやサイコパシー
- 利己主義・身勝手
これらはすべて男性性が負の側面で発露したもの。
男性性の成長課題
本来なら弱い者を守るために使われるべき「力」を、他者を支配・コントロールしようとしてしまう。
相手の意志や気持ちを尊重せずに自分のやりたい放題を押し付ける方向へ使ってしまう。
モラハラやパワハラ、DV や虐待といった問題は、負の男性性の現れです。
負の男性性を克服して健全な男性性と女性性を統合するためには、「男らしさ」を健全に体現できるように訓練すること。
そして健全な女性性(思いやりや優しさ)を内面に育むことが必要です。
女性性とは
女性性は「在る」(Be)に根差したエネルギー。
何もせずにボーっとして「今」を楽しんだり、結果や成果に関わらず存在自体を包み込むように愛せたりする力は女性性のものです。
健全な女性性
- 感性・感覚
- 今を生きる
- 優しさや思いやり
- 美しさや感情
- 想像力と創造力
- 慈しみ育む力
- 忍耐力
- 母性
- 愛されたい欲求
- 内側に向かう欲求
- 官能
健全な女性性は、自分や他者をジャッジしたり批判したりせず、ありのままをそのまま愛で包み込むことができます。
相手の問題を見て見ぬフリをすることなく、どんな欠点や弱点があったとしても、人間存在の価値や素晴らしさはいささかも変わらないという無条件の愛と受容性を持つという意味です。
負の女性性
女性性が傷ついていると、負の女性性として現れてきます。
- 被害者・犠牲者意識
- 依存や甘え
- 共依存
- 無力感と諦念
- 嫌味や僻み
- 陰湿さ
歴史上女性性は常に負の男性性によって傷つけられてきました。
その経緯から、今でも女性性は深い傷を抱えています。
結果として、自らの女性性を否定して「男性と同じに」なろうとしたり、男性を打ち負かして「女性の方が素晴らしい」ことを証明しようとしたりすることに躍起になりました。
女性性の成長課題
このような闘争的なエネルギーは本来女性性のものではありません。
傷ついたエネルギーを癒し、本来の女性性を健全な形で発揮できるようになることが女性性の課題です。
繋がる力と断ち切る力
繋がる力
相手の気持ちに共感したり、赤ちゃんや動物が必要としていることを察して世話したりする力は、女性性が持つ「繋がる力」。
人は自分の気持ちを分かってくれる相手、必要なものを与えてくれる相手を信頼します。
相手が必要とする共感と庇護を与えることで、相手と繋がれるのが女性性の力なのです。
この力がプラスの方向へ発揮されると、人は本当の意味で他者との間に絆を築き、安心してこの世を生き抜いていくことができます。
しかし、「繋がりの力」がマイナスの方向へ出てしまうと、相手と自分の境界線が曖昧になり、干渉し合ったり、立ち入った領域にまで踏み込んで相手と癒着してしまいます。
共依存の人は自分がないので、他者(パートナーや子供)と癒着して一体化することで生存を図ろうとしてしまいます。
要因は幼少期の過ごし方と、健全な男性性の欠如。
相手を自分の思い通りに動かして支配・コントロールしてしまうのは負の女性性です。
子供を自分だけのものにしておくために(無意識のうちに)過干渉になり、子供の自立を妨げる親は、負の女性性の例です。
断ち切る力
一方、相手との関係性を断ち切る、相手を遠ざける力は男性性が担っているものです。
過度な繋がりは自分にとっても相手にとってもマイナスに作用し得ます。
健全な女性性が育まれるためには、まずは健全な男性性を鍛えておく必要があるのです。
- 断る
- 自立する(相手に依存しない)
- 自分の責任を負う
- 他人の責任を負わない
- 区別する
- 突き放す
適度な強度で相手との間に境界線を引けることは、健全な男性性の力です。
インスピレーションとモチベーション
インスピレーション(女性性)
インスピレーションとは、私たち人間が「本来の自分」の波動でいるときに、内面から自然と湧き上がってくる閃きやアイデアのことです。
自分自身が心地よく満たされていて幸せなとき、ふと「〇〇してみようかなぁ」とか、「そうだ!あそこへ行って見よう」なんて思うこと。
内側から出てくるインスピレーションに従って動いているとき、そこに何も不自然な努力は必要ありません。
待ち焦がれた週末がやってきて趣味の釣りに出かけようと言うとき、「モチベーション」云々という人はあまりいないでしょう。
妻や子供に嫌味を言われてでも「行きたい」という気持ちが勝ってしまう。
それが本当にやりたいこと。
インスピレーションや閃きにしたがって動いているとき、私たちは「本来の自分」を生きていると言えます。
インスピレーションに従って起こす行動の特徴
- 自然で無理がない
- 思わずやってしまう
- 簡単にできる
- 楽しい
モチベーション(男性)
インスピレーションが「閃きを行動に移す」ことに比べ、モチベーションは「やる気を奮い起こす」というイメージ。
別にやりたいわけではないけれども、自分や家族にとって必要なことがあります。
毎日歯を磨いたり、適度な運動を長期間に渡り習慣化して続けたりするようなことです。
そういうときに必要なのが「モチベーション」(男性性)。
すぐに明確な結果がもたらされるわけではなくとも、長期に渡り自分や家族の益となる事をもくもくと続ける力。
これは男性性に根差したモチベーションです。
モチベーションを上げて起こす行動の特徴
- すぐに結果が出ることではない
- 長期間に渡り積み重ねて益を得ること
- 地道な積み重ねが必要
男性性と女性性の統合
男性性と女性性の統合とは、自分にとって最適なバランスで「男らしさ」と「女らしさ」の特性を体現できること。
そして究極的には自分の「○○したい」に従って行動・実現していける力のことを指します。
自分の気持ちに正直に生き、望む人生を創って行ける。
相手との間に健全な線引きをしながら必要なときは他者と繋がりながらも、干渉し合ったり依存し合ったりない。
個々の違いや自由意志を尊重し、一人の人間として水平に関われる。
自分と他者に対して優しさや理解をもって接し受け入れる力を持ちつつも、甘えや依存を容認せずに自立を促すように関われる。
男性性と女性性を健全に体現できるようになればなるほど、内面の成熟度も上がっていきます。

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