「逃げ道」を作らず丸ごとで生きる -ミランダことアナの生き方-

先日18年ぶりに観た映画「プラダを着た悪魔」(アメリカ:2006年)。

ファッションに一切の興味がない秀才ジャーナリストの卵アンディが、世界一のファッション雑誌「ランウェイ」の編集長ミランダの第二アシスタントとして雇われたことから、自分を見つけ直す旅に出る数か月。

雑誌「VOGUE」の伝説的編集長 デイム・アナ・ウィンター がミランダのモデルと言われます。

映画の終盤に、とても印象的なシーンがあったので、シェアしたいと思います。

この1分弱のセリフのやりとりは、この映画の中で恐らくもっとも重要なシーンです。

プロデューサーのメッセージはここに込められているでしょう。

「あたが決めたこと」を認めなさい

ミランダ:あなたは私に似ているの。相手が求めているものを察知し、それ以上ものを与えようとする。そして、「自分のため」に決断できる( You can choose for yourself. )

アンディ:(呆れて首を振りながら)違います。あなたがナイジェル(担当スタイリスト)に対してなさったようなひどい仕打ちは、私にはとてもできません

ミランダ:(「意外」という顔をして)あら、もうしてるんじゃない。

アンディ:(驚いてミランダを見る)

ミランダ:エミリーに対して。

※ 第一アシスタントのエミリーは、ミランダとパリへ同行することに命をかけていたが、ミランダはエミリーではなくアンディをパリに連れて行くと決定した。アンディは、自らの口からそれをエミリーに伝えなさい、とミランダから指示される。

アンディ:あれは、私の意志では・・・(ハッと我に返って・・・)違います、違います、仕方なかったんです(I didn’t have any choice. )

ミランダ:まさか。あなたが決めたじゃないの (No, no. You chose.)。(オファーを受けて)先へ進むと決めたのは、あなたよ。この世界では、決断を避けては通れないわ。

アンディ:でも・・・もしも私が「その世界」を望んでいなかったら?私はあなたのような生き方はしたくない。

ミランダ:バカなことを言わないで。「コレ」が欲しくない人なんて、いないのよ。

自分の決断に責任を負う

私たちは、日々、人生の選択と決断を迫られながら生きていきます。

しかし、その選択と決断を、

  1. 無意識のうちに(流されて)なしている人
  2. 意識的に「自分の意志を持って」下している人

この 2種類がいるだけ。

アンディは前者ミランダは後者です。

雑誌で働き始めて以来、どんどん変わっていくアンディに、旧友たちは苛立ちを募らせていました。

「自分」てものはないの?」

「仕方がなかった」って、最近の君の言い訳はいつもソレだ」

「君が自分でいる限り、ヌードダンサーになったって僕は構わない。でも、やるからには信念をもってやれよ!」

これは・・・

実は、私が今まで、多くの日本人に対して申し上げてきたセリフと同じです。

本当は自分で選んでいるにも関わらず「選ばされた」「仕方がなかった」という被害者意識で生きているのが、3次元(無意識)の人の特徴です。

それに比べてミランダは、自分を守るためにナイジェルの夢を犠牲にしたと認め、「それが私の決断」引き受け前を向いて歩き続ける。

「仕方がなかった」なんて下手な言い訳を決してせず丸ごとの自分で毎日を生きている。

「伝説の編集長」だからと言って、人生すべてがうまく行っているわけじゃない

アメリカのような超巨大な国で、自分の夢を叶えようと思ったら、生き馬の目を抜くごとくのしたたかさは絶対に必要

裏切られないために裏切る

それを潔しとし、すべてを引きかぶり、どんな小さな決断すらもいい加減に行わない

だからこそ、ミランダ(アナ)は伝説化して最前線を歩き続けられるわけです。

その生き様を見せつけられたアンディは、それは自分が望む生き方ではないと、明白に理解します。

丸ごとの自分で決めて「逃げ道」を作らないこと

「どんなことをするか」

問題じゃない

「どんな自分でソレをするのか」

かが全て

私は今日、アイスクリームを沢山食べました

「30度越えなのよ、暑いから、仕方がなかったのよ」

とは言いません

それではまるで、「天候に振り回される力ない私」に甘んじるのと同じこと。

that is not who I am.

それは私じゃない

「私は今日、甘い物を沢山食べたい気分だったので、食べることにした」

と言います。

それが「その瞬間、私が望んだこと」だから。

逃げ道を作りながら何かをしている以上、自分を生きることはできません

自分丸ごとで生きたとき、人生には一片の悔いもなくなります。

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